仮想通貨の取引は基本的には雑所得。でも状況によっては事業所得で申告も。

こんにちは。

吉田町と野毛を愛する横浜市中区(馬車道・関内)で開業中の税理士しのはらともあきです。

本日のブログは・・・。

別に仮想通貨に力を入れている訳では無いのですが、

 

夏に色々なご縁により「仮想通貨の申告セミナー」の依頼を受け、開催する事になりました。

 

(依頼者様の周りの方々が参加されるので一般の方の参加は出来ません)

 

そんなわけで最近ちょっと仮想通貨の申告について調べ事が増えたので、ブログ記事にします。

ってそんな事を書かせて頂きます。

しのくん

仮想通貨難しいですね。仕組みがいまいち分かりません。セミナーやるからには色々と書籍に目を通し、仕組みを理解しなくては。
わん!(好きとか嫌いとか言ってられないわね。お仕事受けた以上はね。あなたはプライべートでは仮想通貨の投資はやめて2万円の損で一旦終わってるようだけど。)

はぐみ

しのくん

・・・僕は投資には向いてないのでしょう。地道に税理士業や講師業などでお金を稼ぎます。とほほ。

仮想通貨の所得区分の原則的取り扱いは、雑所得で総合課税。

しのくん

国税庁で公表されておりますが、雑所得で総合課税です。

国税庁のタックスアンサーの記事のリンクを貼っておきますね。

No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係

ここの記事を読み解いていきましょう。

まあぱっと読めば雑所得なのだなあと読めますが、

一部、ちょっと気になる点がありませんか?

事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き

原則として、雑所得に区分されます。

という記述があります。

という事は、雑所得だけでは無く、事業所得になる場合もあるのか?

と言われればそれはイエスです。

事業所得になる場合もあります。

事業所得等の各種所得という事は事業所得と雑所得以外の可能性もあるのか?

と言われますと、可能性は0では無いという事を一応視野に入れた

記述にはなっていますね。

ただまあじゃあ山林所得を生じる業務に付随して仮想通貨に投資する・・・

ちょっと現実的では無いと思いますので、

雑所得が原則だけど、事業所得に付随した場合は事業所得になるという考え方。

これが原則的な考え方ですね。

これについては総合的に実態に則して所得区分は判断されます。

裁判にもなりましたが、「競馬」などのギャンブルで生じた所得は

原則的には一時所得ですが、インターネット等を使って

継続的に反復的に網羅的に・・・とにかくシステム化して

通常のギャンブルではなく、事業として馬券購入している場合は

雑所得になるという判決が出ています。

ご存知の方も多いかもしれませんが、

このように形式では無く実質(実態に則して)所得の区分は

変わります。

尚、一時所得と雑所得ではハズレ馬券が総収入金額から控除できるか

どうかの分かれ道なので物凄い分かれ道なのですが・・・

最高裁の判例のリンク貼っておきますね。

競馬の当たり馬券の払戻金が所得税法上の一時所得ではなく雑所得に当たるとされた事例

というわけでして、いつもの通り脱線してしまいましたが、

事業所得になりうる訳です。

わん!(事業所得になると何か変わるのかしら?)

はぐみ

仮想通貨の所得が雑所得になるのか事業所得になるのかは、仮想通貨をどのように使っているのか?その実態によります。

しのくん

仮想通貨の取り扱いは国税庁ホームページにて個人課税情報第4号として平成29年12月1日に公表されています。

上記情報の本文中の問6に記載があります。

国税庁の情報によりますと

(1)仮想通貨を事業用資産として保有し、決済等をしている場合

さて折角税理士がブログを書いているので

情報のベタ貼りではつまらないので、具体例を書きますと・・・

僕(税理士)が税理士事務所を経営しています(これが僕の事業所得です)

各種経費を支払う為に、事業用資金として円の普通預金があります。

それとは別に、仮想通貨を保有し、

その仮想通貨で、事業用の決済をします。

例えば、僕が受けたいセミナーの報酬の支払いを仮想通貨で支払う、

アルバイト代を現金と仮想通貨で払う、

事業用資産を仮想通貨で支払う等々。

あまり仮想通貨で決済を受け付けてくれる所は無いでしょうが、

例えば事業用のプリンタを家電量販店で購入し、決済する際に

ビットコインを使えば、事業付随になりますね。

この購入した時にビットコインの含み益に課税されますから、

これは雑所得では無く、事業所得(僕の税理士業の付随)と考えられます。

(2)仮想通貨で生計を立てている場合

仮想通貨の購入や売却に独自でシステム化するなどし、

継続的に複数回、長期間、網羅的に・・・まあ

税務署との見解は分かれる部分なので一概に「コレ!」とは言えませんが、

完全に事業として仮想通貨の投資を行っている場合は

事業所得に該当するとの見解です。

これは競馬の一時所得か雑所得かの見解と同じように

実質的にどうなのか?という判断になるので、

形式的にいくら儲かったから事業所得で

これしか儲かっていないから雑所得という区分では無いですね。

状況に応じてになるので、税務署や顧問税理士と相談しながら

申告に向けて日々の経理を整えていきましょう!

わん!(あなたは個人的に投資して、2万円個人的に損しただけなので、雑所得ね。雑所得の損失は、あなたの事業所得(税理士業)からは引けないので、こっそり損しただけで終わりなのね。かわいそうに。)

はぐみ

まとめ:所得区分は原則は雑所得と考えましょう。事業所得とするにはそれなりに説明が必要になり形式的な判断は出来ませんので顧問税理士と相談をしましょう。

しのくん

事業所得になると色々と恩典ありますからね。損益通算で他の所得と通算したり、青色申告をしている場合は損失の繰越控除が出来たり。青色事業専従者給与を支払えたり、青色申告特別控除を受けたり。
わん!(まあこれは税理士と相談だわね。当事務所は仮想通貨の申告もお受けしていますので気が向いたらどうぞ。)

はぐみ

「しのはらともあき税理士事務所」の所長の僕はこんな感じの税理士です。

しのくん

もし気軽に何でも相談出来るような税理士をお探しでしたら僕の事務所までお気軽にお問合せ下さい!
わん!(私の主人なのでどうか宜しく使ってやってくれよ!案外、頼れるやつなのよ!)

はぐみ

お問い合わせ


【編集後記】

ブログを書く時間はなかなか確保出来ていないのが

現状で理想からはかけ離れた状況ですが、

それでも税務記事のブログはやっぱり書いていて

面白いです。やっぱり記事を書くために

色々と調べ物をしますので、自分のスキルアップに繋がります。

国税庁のホームページなどを見ながら

税務の記事を読むのは本当に楽しいです。

(というかまあ品質を保つために勉強は不可欠ですが・・・)

というわけで、ブログとスキルアップの両立になるので効率的ですね。

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